★日本初 手術支援ロボットhinotori
いま全世界で行われているロボット手術は、年間およそ100万件以上に及ぶともいわれ、1日に約3000件ものロボットを用いた手術が施術されていることになります。
川崎重工業とシスメックスが折半出資するメディカロイド(神戸市)が2020年に国産初の手術支援ロボット「hinotori」(腹腔鏡手術支援ロボット)を開発しました。泌尿器の手術から使い始めて消化器や婦人科、呼吸器での活用も目指しています。
ヒノトリは、手術器具を持たせる4本のアームと医師が操作するコックピットで構成されています。医師は離れた場所から患部を立体的に見ながら、思い通りの細やかな動きで正確な処置ができます。
これまで手術支援ロボットは米国のダビンチが先行し、価格の高さなどから導入は限られた病院のみでした。国産のロボットが完成し、活用の広がりが期待されています。
★人の手のような繊細な動きが可能
手術台の横にあるコックピットから操作 | アームとアームが干渉しにくい構造で作っている |
狭いお腹のなかでも細かい動きが正確にできる | 手ぶれを補正する機能も備わっている |
器具の先端にも間接があるので自在に動かせる | 産業用ロボットで培った技術を転用し、さらに安全性を担保 |
★5G回線でつなぐ遠隔支援
2021年には、神戸大学、メディカロイド、NTTドコモの産学官が連携し、商用5G回線を介した遠隔実証実験が行われ成功したと報告されました。
医師によると「離れた場所から中継局をつなぎ、ロボットを介してリアルタイムに手術を支援することができるようになる。それにより、地方の医療レベルが上がり日本全体の外科医療の均てん化が可能になる」と述べています。
今後、ますます医療のデジタル化は進み、アナログではできなかったことも可能になり、hinotoriの登場でどこで暮らしていても誰もが専門診療を受けられる日が近づいています。
hinotoriとは、兵庫県出身の手塚治虫氏の「火の鳥」からの命名とのことでした。今年は世界へも羽ばたく予定です。
https://www.medicaroid.com/product/hinotori/
※写真はNHK BS 「デジタル医療革命2022」1月2日放送分を撮影しました。