この黄色い糊(のり)に見覚えはありませんか。そう、子どもの頃に工作で使った『フエキ糊』です。
「フエキ」ってちょっと変わった名前ですよね。漢字では「不易」と書き、中国の思想家・荀子(じゅんし)の【萬世不能易也】(永遠に変わることなし)に因んで命名されました。いつまでも腐らず不変の品質を誇るという意味をが込められています。
「腐らない糊」として日本で初めて開発されたのが1895年(明治28年)、以来今日まで販売され続けているロングセラー商品です。100年以上ですからびっくりですね。
明治41年の広告。足立商店は不易糊工業の前身 | 1975年「どうぶつのり」が登場 |
私たちにおなじみの「どうぶつのり」は1975年に発売が開始されました。帽子をかぶった可愛い動物のパッケージを使ったもので、なかでも黄色いワンちゃんが人気ナンバー1です。このワンちゃんには長い間、名前がありませんでしたが2008年に「フエキくん」と命名されました。
フエキくんのキャラクターデザインは少しずつ増えていき、事務用品だけでなくパッケージを糊と同じデザインにしたハンドクリームや洗顔料などユニークな商品も開発されています。
レトロ可愛い!と若い世代にも人気となり、2020年には大阪心斎橋パルコ9階にフエキくんショップも登場しました。ステーショナリーだけでなく、食品ではフエキくんの容器に入った、ソフトクリーム(500円~)、パインアメやラムネも人気です。
ボールペン。胸ポケットに入れると可愛い! | どうぶつのりカラー |
フエキラムネ | ソフトクリームには色々な味があります |
コスメシリーズ | ノリノリ戦隊 |
さて「フエキ糊」の主原料に使われる澱粉はコンスターチを100%使用し、キンモクセイの香料で香り付けがされています。子ども達が安心して紙工作ができるよう、防腐剤にホルマリンを使わない安全無毒な澱粉が使われています。だから、幼稚園や小学校でずっと愛され使われているんですね。