< 増加する梅毒 >
2022年、梅毒は過去最多の感染報告数を記録しました。2010年頃までは年間数100例の感染報告数でしたが、その後感染報告数は急増し、2022年10月23日までの時点で10,141例となっており感染症法の施行以来初めて年間1万例を超えました。この数値は報告数ですので、未報告も含めるとさらに多数の感染者の増加が示唆されます。
年齢・性別ごとに見ると、男性では20代以上の世代で幅広く感染者が報告されているのに対し、女性では20代が突出していることが分かります。これらの違いは性的な活動性を反映しているものと考えられます。
< 頭痛梅毒 >
梅毒は梅毒スピロヘータによる性感染症であり、性行為によって感染します。
最初の症状は、感染からおよそ1ヶ月後に梅毒スピロヘータが感染した部位に潰瘍が現れます。生殖器同士の接触により感染することが多いため、陰部に潰瘍が出現することが多いですが、口に現れることもあります。この時期を一期梅毒と呼びます。
この時期を放置しておくと、感染から1〜3ヶ月後に二期梅毒へと進展します。二期梅毒は皮疹(皮膚のぶつぶつ)が手のひらや足の裏を含めて全身に出現したり、発熱、だるさなどが現れます。
一期梅毒、二期梅毒のいずれも放置しておいても自然に症状は消失します。
全く症状がなくなった状態を潜伏梅毒と呼びます。潜伏梅毒の時期でも1年くらいは周りに感染させることがあります。
また妊婦さんが感染することで、胎児が感染し皮疹、知的障害、麻痺などがみられることのある先天梅毒となることがあります。
梅毒の診断は、血液検査によって可能です