Vol.194 2024.02.05 映画のなかのお菓子

映画に登場するお菓子には不思議な魅力があります。それらが登場するのはほんのワンシーンですが「あ~美味しそう!」とむしょうに食べたくなったり、笑顔にしてくれたり、泣けてきたり、時には物語を象徴的に語る名わき役でもあります。

『ローマの休日』のジェラート

世界中の人に愛され続けている名作ラブストーリーですね。ヨーロッパの小国のアン王女が親善のためにローマを訪れました。王女は分刻みのスケジュール、シナリオどおりに発言する毎日に嫌気がさしてある晩、大使館を抜け出しました。街は活気と光に溢れています。王女は、髪をバッサリと切ったり、花を買ったり、と誰にもとがめられることなく自由な時間を満喫します。

このスペイン広場でジェラートを食べるシーンを覚えておられる方も多いのではないでしょうか。もちろん道端で食べ物を買って食べるなんて彼女にとっては初めての体験です。明るく開放的でワクワクする彼女の心が感じられますね。老舗ジェラートショップ『Giolitti(ジョリッティ)』はこのシーンで一躍世界中に名を知られるようになりました。
https://www.tc-ent.co.jp/sp/RomanHoliday4k/

フランス映画『アメリ』のクリームブリュレ

筆者がこの映画を観たのはかれこれ20年ほど前です。子どもの頃からずーっと空想好きなアメリの好きなことは、運河で水切りあそびをする事とクリームブリュレのカラメルのおこげをつぶすこと、そして誰かを少しだけ幸せにすること。映画のなかでほんの一瞬だけ出てくるお菓子ですが何とも美味しそう!パリパリとお焦げを割る音も聞こえてきそうで、中からクリームが出てくのをみると「あー食べたい!」となります!実は、お菓子はストーリー展開とはほぼ関係ありません。ですがこの映像のインパクトはものすごく、クリームブリュレ人気は一気にアップしたそうです。
https://amelie-film.com/

『クレーマー、クレーマー』のフレンチトースト

1979年公開の映画です。先日45年ぶりにこの映画を観ましたが離婚や親権争いがテーマということもあり、今みても違和感がありません。

仕事人間で家庭をかえりみる事のなかったテッドは、妻の話にもろくに耳を傾けたことがありませんでした。ある日、妻は子どもを気遣いながらも出て行ってしまいます。テッドと7歳の息子ビリーの2人の生活がはじまります。はじめて作る朝食のフレンチトーストはうまくできません。最初はぎごちなかった2人の関係も次第に深まっていきます。しかし、親権争いの末、ビリーは母親の元へ行くことになり、最後の朝食にフレンチトーストを焼きます。父と子の手際のよい調理の様子からその絆の深まりが感じられ、せつなくなります。泣けます、、、離婚という複雑な問題を子どもがどんなふうに感じ、受け取らねばならないのか考えさせられる作品です。ダスティン・ホフマンもメリル・ストリープもいい、子役の少年のなんと可愛いこと!
https://moviewalker.jp/mv2670/

『ジュラシック・パーク』のゼリー

現代によみがえった恐竜と人間のたちの戦いをリアルなCG映像で描き、世界的な第ヒットとなった作品です。監督はスティーブン・スピルバーグなので、ドキドキ、ハラハラの連続です。筆者も恐竜がかみついてくるシーンでは思わず座席で足をはね上げました。パーク内にいる恐竜たちをサファリのように見学するツアーのはずでしたが、、、

パーク内に置き去りにされた子ども達がいくつもの危機を乗り越えて命からがら安全であるはずのセンターにたどり着くと、そこにはもどったツアー客をもてなすための豪華な料理が並んでいました。2人(アレクシスとティモシー)は空腹を満たそうと料理に手をのばします。その時に迫りくる危機を象徴するのがグリーンのゼリー。小さいながらも狂暴なヴェロキラプトルの群れが近づいてくる振動で、ゼリーがプルプルと揺れていたのでした。絶体絶命のピンチ!揺れるゼリーを見るだけで恐怖倍増です。

https://eiga.com/news/20220610/17/

「恐いですねえ、恐ろしいですねえ」

「時間きました それではみなさん サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」

大ヒットした作品のなかで存在感のあるスイーツたちの世界をお楽しみいただけたでしょうか。
可愛いお菓子に注目しながら懐かしい映画を鑑賞いただくのもよいかもしれませんね。

「いやぁ、映画って本当にいいもんですね。」

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