高層ビル群が立ち並ぶ大阪中之島界隈には、明治~大正~昭和に建てられた
レトロな建築物が点在しているのをご存じでしょうか。
地下鉄肥後橋駅から北浜駅までレトロ建築をめぐるワンデイトリップに出かけてみました。
【レトロ建築コース】
地下鉄肥後橋駅(10:40)
◆大同生命ビル( ヴォーリズ設計※30分ガイドツアー)
◆大阪倶楽部(大阪三大名建築のひとつ)
< ランチ > ダル・ポンピエーレ
今橋ビルヂング 旧消防署を改装したレトロ建築
◆日本銀行大阪支店( 辰野金吾設計※60分ガイドツアー)
◆中之島図書館(建物内見学)
◆大阪中央公会堂(辰野金吾ら設計・建物内見学のはずが…)
◆大阪証券取引所(建物内見学※ミニガイド)
地下鉄北浜駅解散(15:40)
近鉄学園前駅を9時30分頃に出発。肥後橋駅出口を上るとスグ、最初の訪問地・大同生命ビルがあります。
ウイリアム・メレル・ヴォーリズが設計した旧本社ビル(1925/大正14年)の内外装のデザインや資材の一部を継承する大同生命の大阪本社ビル(1990/平成2年) | 予約しておくと建物内部に入れて同社広報さんがガイドもしてくれます! | |
2階のメモリアルホール。 大坂の豪商“加島屋”から新選組近藤勇が お金を借りた証文もありました! |
大同生命の創始者のひとり広岡浅子さん。朝ドラ「あさが来た」で一躍有名になりました。 | |
大阪三大名建築で知られる大阪倶楽部 (1924/大正13年)。 |
英国風社交倶楽部の利用は会員のみ。 窓枠デザインもお洒落ですね。 |
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大阪倶楽部の斜め前にある イタリアンレストランダル・ポンピエレレ 旧消防署をリノベーション。 |
日本銀行旧館は明治建築界の第一人者 辰野金吾の設計によるネオ・ルネッサンス様式の建物。円屋根が印象的ですね。 |
ドーム型屋根のちょうど下にあるのが記念室です。貴賓室として使われていた部屋でシックで豪奢な雰囲気です。 | 内装も匠の技が息づいていて、 支柱を使わずに階段アーチが支えています。 |
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これな~んだ?正解は40億円十束封。 約400㎏もあるんですよ。 |
撮影可能エリア。 フラッシュをたいて撮影するとバックに紙幣が浮かび上がります。 |
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大阪府立中之島図書館。 4つの支柱がギリシャ神殿のよう。 ネオ・バロック様式(1904/明治37年) |
高い天井、堂々たる美しい階段に威厳を感じます。 | |
圧巻は天井の美しいステンドグラス。 図書館2階には洒落たカフェもあります。 |
3階記念室。明治、大正時代の調度しつらえが残り、半円の扇窓(ファンライト)が印象的です。 |
図書館の東隣に中之島のランドマークとも言われる中央公会堂(1917/大正7年)が見えてきました。赤レンガとアーチが美しいネオ・ルネッサンス様式の瀟洒な近代建築です。建物内の見学を予定していましたがこの日は残念ながら休館日でした。
土佐堀川、中之島公園、堂島川をまたぐ堺筋にかかる難波(なにわ)橋からの眺めは、
高層ビルとレトロ建築が織りなすハーモニーが絶妙です。
なにわ橋の2頭のライオンは阿吽の獅子像です。
橋を渡ると見えてきたのは、円筒形の大阪取引所(1915/昭和10年→平成14年に建て替え)です。
大阪経済に大きく貢献した五代友厚氏の銅像が現代大阪の発展を見つめていました。
五代さんといえば「あさが来た」のディーンフジオカさんが演じて大人気になりました。
近隣には五代さんの像があちこちにあり、五代さんを探せ!ツアーもあるとか。
大阪のレトロ建築のなかには、大坂商人の寄付により建築されたものも多く、心意気が感じられます。
歴史と文化香る大阪の街を歩いてみてくださいね。
※日本銀行の見学には、身分証明書が必要です。
朝日新聞「折々のことば」(鷲田清一)2024/10/23に
次ぎのような記事が掲載されていましたので最後に紹介しておきます。
—-ここから朝日新聞から引用
大阪人は「始末」を念とし、「もったいない」ということを生活信条にしていた。
しかし「シブチン」は軽蔑された。 宮本又次
「値ぶちがある」という言葉を大阪人は好んだと、日本経済史家は言う。
見てくれがよくても、タメやもちがよくないと信用されない。
持久性や効用をとくと比較考量すると。
だが、大事なことには金を惜しまず、中之島の中央公会堂も一経済人の寄付で建った。
お役所より市民の集会場のほうが立派であるべきと?『関西と関東』から。