◆増加する梅毒
政府広報オンラインによると
2023年の梅毒報告数は14,906人で、
今の制度で統計を取り始めてから最多の患者数となっています。
日本では1948年から梅毒発生について報告制度がありますが、かつては1967年の年間約11,000人をピークとして減少していました。
ところが2011年頃から報告数は再び増加傾向となり、2021年以降大きく増加しています。
年齢別では、男性は20代から50代、女性は20代が突出して増えています。
これらの違いは性的な活動性を反映しているものと考えられます。
◆梅毒とは
梅毒は
梅毒スピロヘータによる性感染症であり、性行為によって感染します。
最初の症状は
感染からおよそ1ヶ月後に梅毒スピロヘータが感染した部位に潰瘍が現れます。
生殖器同士の接触により感染することが多いため陰部に潰瘍が出現することが多いですが
口に現れることもあります。この時期を一期梅毒と呼びます。
この時期を放置しておくと、感染から1〜3ヶ月後に二期梅毒へと進展します。
二期梅毒は
皮疹(皮膚のぶつぶつ)が手のひらや足の裏を含めて全身に赤い発疹が出現したり、
発熱、だるさなどが現れます。
一期梅毒、二期梅毒のいずれも放置しておいても自然に症状は消失します。
全く症状がなくなった状態を潜伏梅毒と呼びます。
潜伏梅毒の時期でも1年くらいは周りに感染させることがあります。
また妊婦さんが感染することで、
胎児が感染し皮疹、知的障害、麻痺などがみられることのある先天梅毒となることがあります。
梅毒の診断は、血液検査によって可能です。