かつての天王寺界隈は“ディープな大阪”でちょっと近寄り難いイメージがありました。
ここ数年でもあべのハルカス美術館に何度か足を運んだくらいであまりなじみのないエリアです。
そこで今回は、同美術館で開催中の竹久夢二の展覧会『生誕140周年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界』の観覧がてら天王寺界隈をぶらりと散策してみました。
超高層ビル(300m)はるかすを間近で見上げてみるとこんな感じ、古都ならの街並みを見慣れた奈良市民にはいかにも都会的でクリスタルです。美術館のある16階までシースルーエレベーターで「アッ」という間でした。
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ガラス越しに空中庭園と大空が広がるフロア | 明治末期から大正時代に一世風靡した「夢二式美人」 | |
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大正浪漫の世界へ | 夢二の意匠による千代紙や小物、着物の半襟や帯、浴衣も人気を博しました | |
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表紙や挿絵,装丁にも力をいれ、詩人でもありました | 浮世絵美人からアール・ヌーヴォー調まで数々の楽譜表紙をデザインを残しています | |
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油絵アマリリス。日本髪を結った和服姿の女性に洋花「和洋折衷」の構図。日本画にはない表現で夢二の意欲作といわれる | 秋の落ち葉の中で途方に暮れた表情の女性は何を思うのでしょうか |
夢二といえば、憂いのある表情に大きな眼、ほっそりとした儚げな女性の絵「夢二式美人」が有名ですが、その才能は美人画だけでなく、小説の挿絵、音楽、小物デザインの分野でもマルチに活躍した人物でした。
夢二の別れた奥さんが切り盛りする「港屋絵草紙店」には、夢二がデザインした千代紙や着物の半襟、帯などが並び、小さなお店は女性客で大賑わいだったそうです。お洒落で可愛いグッズは当時の女性の憧れだったんですね。美人画に描かれた着物や帯の柄、細部にまでこだわった色使いは今なお新鮮で思わず見入ってしまいました。※写真は撮影可のエリアで撮影しました。
さて、夢二さんを堪能した後、天王寺駅前で見慣れない看板を発見。
「阪堺(はんかい)電車」
大阪に路面電車が走っているんですね!知りませんでした。愛称は「ちん電」。
ちん電・初心者は王道の「天王寺駅前」-「住吉鳥居前」約15分に乗車してみました。料金は1回乗車で230円
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最新式デザインのちん電がやって来ました | 路面電車から降りたらスグに道路。注意です。 |
近代的な天王寺駅前から15分で昔ながらの街並みが現れます。
住吉鳥居前駅の目の前にあるレトロな食堂でお昼を頂きました。
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高齢の店主ご夫婦の雰囲気がほのぼのとして良い感じ | すき焼き丼には豆腐や糸こんにゃくも入ってました |
このお店にはユニークな名前の丼がいっぱい、かつ丼と他人丼が一度に楽しめる「みうち丼」、他人と親子の「ひきわけ丼」、イカ天と他人丼のコラボした「イカツ丼」。
昔から地元の人や観光客から愛される味なんでしょうね。
住吉大社は「住吉っさん」の愛称で親しまれ、全国約2300社あるという住吉神社の総本社で、航海の神、お祓いの神、和歌の神として崇敬されいます。
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青空に松の翠が映えます | 大相撲の三月場所に向けて 「立浪部屋」が宿泊・稽古に来てる! |
相撲ファンの筆者は大興奮!「え!豊昇龍関に会える?!稽古見学できる?!」
残念ながら「土俵祭り」はその日の朝9時からで既に終了していました。
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境内に入ると大きな反橋が見えてきました | 4つある本殿はすべて西(大阪湾)に向いています |
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北側大鳥居前にある珍しい備前焼の狛犬 | 昔は住吉大社のすぐ近くが海岸で 万葉集には住吉を詠んだ歌が40首もあります |
お参りをすませて近くの粉浜商店街を歩いてみました。
「下町情緒あるお店が並ぶ」と紹介されていましたが、、この日はシャッターの下りたお店が目立ちました。
でも露店の八百屋さんは元気に商売をされていて、この物価高のなか、とてもリーズナブルで思わず買っちゃいました。それといわゆるパチモンの店が面白かったです。有名アウトドアブランド名をもじったNorther Face のアウターは3000円也。
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住吉駅の待合室 | 乗り場はここ |
ぶらぶらひと駅分歩いて「住吉」駅を見つけました。
電車時刻表を見てもうすぐなので帰路に着こうとのんびり電車を待っていたのですが
編集部員2が気がついた「あ!乗り場が違いますよ」
阪堺線は●恵美須町から我孫子道までの阪堺線と●天王寺駅前から浜寺駅前でいく上町線があり
案内図をよく見たら「住吉」は両線のスイッチ駅なので
この電車に乗ると新世界、通天閣方面(JR新今宮駅)の方へ行っちゃうのです。
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通天閣、動物園は北側にあるんだと納得 | 赤い洒落た電車。派手な全面広告の電車もあります |
天王寺駅に戻り「でもやっぱりちょっと裏天王寺も見てみたいよね」と探してみました。
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天王寺駅北側一画にある居酒屋通り。 暗くなると賑わいそう |
締めは駅地下の「心斎橋ミツヤ」でコーヒーフロート |
夕刻となり、デパ地下で夕食をゲット。
ディープな天王寺、レトロモダンな帝塚山界隈はまた訪ねてみます。
それにしてもミツヤのコーヒーフロート!
ソフトクリームをえいやっと投げ入れた感じが大阪っぽくてええ感じでした。