★生理前におこる不快な症状
PMSの症状は、イライラ、気分の落ち込み、などの精神症状だけでなく、頭痛、むくみ、下腹部痛、めまいなど、様々な症状が起こります。自覚のないひとでも、化粧のりが悪くなったり、女性なら、なんらかの経験をされているでしょう。こうした症状は生理の1,2週間前から始まり、生理が始まると急に軽くなるか、全くなくなってしまうのが特徴です。
★女性ホルモンの変化が原因
PMSは生理周期による女性ホルモンの変化が影響して起こります。女性ホルモンには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがあり、排卵後は血液中の黄体ホルモンが上昇します(黄体期)。この黄体ホルモンの働きで、細胞内液の貯留(浮腫)がおこることがPMSの直接の大きな要因と考えられます。生理が始まる時には、血液中の黄体ホルモン値が急速に低下。症状が突然消失するのもそのためです。
★不快な症状に効く漢方薬
複数の症状が重なっておこるPMSには、漢方療法が有効です。漢方薬はそのひとの体質に合わせて処方が変わります。例えば、生理前に便秘がちなひとには、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、下痢気味なひとには五苓散(ごれいさん)が向きます。漢方薬は効き目が鈍いイメージがありますが、PMSの漢方治療の多くは即効性があります。PMS症状が起こる約1週間前に飲み始めて、生理が始まり症状がなくなると休止します。また食生活では、浮腫を防止するために高脂肪や塩分の摂取を控えるのが良いでしょう。