vol.53 2012.05.07 脂質異常症

★ どんな病気?
血液中の脂質の量が正常でない状態をいいます。具体的には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)が基準より高い、あるいはHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が基準より低い状態をいいます。
以前は高脂血症とよばれていましたが、脂質異常症と名称がかわっています。

高LDLコレステロール血症       LDLコレステロール    140mg/dl 以上
低HDLコレステロール血症       HDLコレステロール     40mg/dl 未満
高トリグリセライド血症        トリグリセライド(中性脂肪)  150mg/dl 以上

遺伝的な要素や糖尿病などが原因で起こることもありますが、主には、食習慣、運動不足、肥満、喫煙などが影響して起こります。

脂質異常症が持続すると(とくにLDLコレステロールが高い)、動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞など血管系の病気が起こりやすくなります。
 
★ 女性と脂質異常症
女性ホルモンのエストロゲンが、LDLコレステロールの上昇を抑える働きがあるため、  
閉経前後からエストロゲンの分泌が少なくなると、LDLコレステロールの値が急激に上昇する傾向にあります。
更年期に起こりやすい、のぼせや頭痛などの症状は動脈硬化の症状とも似ています。更年期障害だろうと自己判断してしまわず、いつもと違う感じがあれば、ご相談ください。
当院では、血液検査で異常があった場合は、頚動脈エコーで血液や血管の状態を調べます。

★ 治療の基本は、生活習慣の改善と運動
動脈硬化を進めないようにすることが治療の重要な目的です。動脈硬化を促進するほかの要素、高血圧、
糖能異常、肥満なども改善できるよう、生活習慣を見直しましょう。それでも改善されないときには、
薬物療法が追加されます。

[生活改善のポイント]
禁煙する 食生活を見直す 運動量を増やす 適正体重に近づけると同時に内臓脂肪を減らす

[食生活改善のポイント]
適正なエネルギー量をとる 肉類より魚介類や大豆製品を多めに、野菜やきのこ海藻類もとるアルコール、甘いものはひかえて油脂をとるときには、エゴマ油やアマニ油などの良質なオイルがおすすめ

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