鉄やＢ群ビタミンを多く含む動物性タンパクの摂取が大切
妊娠・出産は女性にとって、またご主人やご両親などご家族にとっても人生の大切なイベントです。 
ただ、案外意識が低いのは、食生活への配慮です。赤ちゃんに有害なものはとらないことはもちろん、必要な栄養をとるという基本的な意識が大切です。
まず、女性に不足しやすい栄養素といえば何を思い浮かべますか？
女性と男性の大きな違いは生理があること、つまり毎月１回は出血による鉄の漏出があることです。女性に多い、疲れやすい・頭痛・めまい・立ちくらみ・うつ・爪が割れやすいなどの症状が、鉄欠乏による可能性があります。ただ、一般の方はもとより、医師でさえ気づいていないのが現状です。臨床上貧血と診断されなくても、生理のある日本人女性の約半数が潜在性鉄欠乏の状態です。
食物中に含まれる鉄は1日10～20mgで、そのうち約10%にあたる1～2mgが腸管から吸収されます。また、消化管や汗に排泄される鉄も1日約1mgで、収支のバランスがとれています。ところが生理によって失われる鉄は多い方では30mg以上で、女性に鉄欠乏が起こりやすいのはこのためです。
ここで妊娠に関する興味深い報告にチェラスキンレポートがあります。
妊娠中にサプリメントで鉄およびＢ群ビタミンを摂取したグループにおいては、４歳児におけるＩＱ（知能指数）が、非摂取群に比べて平均で約８も高かったというものです。
日本人は、ごはんやパン、パスタ類などの炭水化物が大好きですが、妊娠前や妊娠中には、鉄やＢ群ビタミンを多く含む動物性タンパクの摂取が大切です。
また、葉酸（ビタミンＢ群のひとつ）も二分脊椎などの異常に関連する重要な栄養素です。妊娠を考えたら、３ヶ月前から葉酸サプリを摂取しましょう。
※二分脊椎 生まれつき脊椎（背中の骨）の形成不全があり、同時に脊椎の中にある脊髄の機能が障害を受けている先天疾患
