花粉症の原因は、コンクリートが増えてアレルゲンとなる花粉が吸着せずに都会に飛散したり、遺伝的原因や食生活の変化、ストレスの増加など複雑な要因がありそうです。
治療法は、以前にはアレルギー反応を抑えるために抗ヒスタミン剤を投与していましたが、眠気やけだるさが伴います。最近では、これらの副作用をかなり軽減した抗アレルギー剤が登場しています。また、重症例には副腎皮質ホルモン剤なども使用されます。
漢方には、現代医学的な意味でのアレルギーという概念は存在しません。鼻アレルギーの主症状、くしゃみや鼻水は水毒(水分代謝の異常)としてとらえられます。治療薬としては、代表的な方剤としてまず小青竜湯(しょうせいりゅうとう)が挙げられます。その他には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)や 葛根湯(かっこんとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)などの方剤が、その人の証(体質)にあわせて処方されます。これらの方剤は麻黄を 含むものが多く、麻黄はエフェドリンという成分を含んでおり、現代医学的なアプローチからも理にかなった処方です。もちろん漢方で全ての花粉症を治すことはできませんが、完治する症例も多く、症状の改善は大半に期待できます。
最近、花粉症にたいするアロマセラピーの効果も期待されています。代表的な精油として、フトモモ科のティートリーやユーカリなどがあります。これらの精油は、1.8シネオールやαピネンなどの成分を含んでおり、免疫賦活作用や強い殺菌力を持ち、特に呼吸器系への治療特性が注目されます。色々な使用法がありますが、アロマポットやディフューザーを使用したり、入浴時に浴槽に滴下したり、ティッシュパーパーに滴下して吸入するなど手軽に使用できます。ただ、精油によってはアレルギー反応が出る方もいますから、購入時にアドバイスを受けると良いでしょう。
毎年やってくる花粉の季節。今年は漢方とアロマにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。