「子宮下垂」は膣に子宮が下がってきた状態で、進行すると膣から子宮が脱出して「子宮脱」となります。自覚症状には膣の違和感が多く、「何か丸いものが 触る」、「立ち仕事の後、尿が出にくくなる」と訴える人もいます。また、これらの症状は朝よりも夕方に悪化し、横になると改善します。
子宮下垂・子宮脱は、同時に膀胱下垂・膀胱脱や直腸脱を伴うケースも多くみられます。
原因は、長年にわたって畑仕事や重い物を持つ仕事を続けたり、便秘症や分娩で腹圧がかかったためで、50才以上の人に多く発症します。
膣の違和感だけの方は急いで治療する必要はありませんが、この疾患は分娩直後に起こるものを除いて改善するケースは稀ですから、出血や排尿障害などの症状を認めた方は早めの治療をお勧めします。
治療法について
治療法は、手術療法(膣式子宮全摘術+膣会陰形成術が主流)です。以前は、膣にリング状の器具を挿入して子宮脱を治療する方法もとられましたが、長期に及ぶためリングに当たった部分が潰瘍となったり炎症を起こすためお勧めできません。