【健康保険制度の危機】
日本では、全ての国民が健康保険制度のもと低額の自己負担で現代医療の恩恵にあずかることができます。ところが短期間に世界一の長寿国となった日本は、 高齢化人口の増加にともなう医療費の急増と、少子化にともなう労働人口減少のダブルパンチで健康保険制度は現在危機的状況にあるのをご存知ですか。現在、 日本では年間の医療費が約32兆円に達していますが、近い将来に50兆円を突破するのも時間の問題です。この厳しい現状の中、これからの医療は医療費削減 に向けて予防医学のさらなる充実が必要です。
そして私たち一人一人が、高額な医療費がかかる高度医療のお世話にならない健康な体づくりの意識を持つことがなによりも大切です。
【代替医療】
現代医療は日進月歩。新薬や先進医療機器の開発、レーザー手術法や遺伝子検査法の導入など休むいとまもありません。一方、医師と患者の関係では会話や心 の触れ合いが希薄となり、本来の医術の姿が忘れ去られようとしています。『手当て』とは患部に手を当てることが語源ですが、今世界では、現代医療が忘れか けている医術の原点を見直す声が再燃しています。現代医療のルーツは、アロマセラピ―やハーブ療法、リフレクソロジー、また漢方や鍼灸の東洋医学、インド の伝統医療アーユルベーダーなどで、これらは『代替療法』と呼ばれています。
例えばガンの治療に、最新の施設における外科手術や高価な抗ガン剤による化学療法を行うのが現代医療とすれば、アロマセラピ―によるストレス解消や、気功・ハーブなどを用いた免疫力・自然治癒力の向上、すなわちガンになりにくい体質づくりが代替療法といえます。
西洋医学に接している日本人の多くは、代替療法にマイナーなイメージを感じるようです。ところが1990年頃から欧米では知識層を中心に代替療法が見直 され、例えばドイツでは伝統的な代替療法を行う療法士が国家試験資格として存在し、保険診療も認められています。代替療法の認知とともに『医食同源』の真 意を理解し、食生活を含めた日常の当たり前の中にこそ健康があり、健康を維持するのは私たち自身であることをもう一度考えてみませんか。