Q:どんな病気ですか。
A:骨量が減って、骨がもろくスカスカになり、骨折や腰痛になりやすくなった状態をいいます。
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Q:原因はなんでしょうか。
A:骨は10代から20才頃をピークに成長して密度が高くなり、以後40才頃までこれを維持し、女性の場合、閉経後、急速に低下します。これは、女性ホル モンの一つ、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌低下が原因で、このホルモンが女性のからだの発育や成熟を促すだけでなく、骨からカルシウムが抜けるのを 防ぐ働きがあるためです。他には運動不足、遺伝、やせすぎ、カルシウム摂取の不足、ダイエット、喫煙などの生活習慣があげられます。
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Q:どんな症状がでますか。
A:骨量減少そのものには症状がなく、本人の知らないうちに進み、骨折したり、腰や背中に痛みを感じて初めて気づくことが多いです。
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Q:骨粗しょう症が原因で起こる問題はなんでしょうか。
A:骨がもろくなると、ちょっとしたことで、背骨がつぶれるようになる圧迫骨折や脚のつけ根の骨を骨折しやすくなります。これが原因で歩くことができなくなり、寝たきり・要介護になることが問題です。
また、若い人でも極端なダイエットやアンバランスな食生活などが原因で骨の密度が低い人がいます。
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Q:予防法や治療法をおしえてください。
A:骨粗しょう症は治療より予防、早期発見が大切です。当クリニックでも骨密度測定装置を使って、簡単に検査ができます。自分の骨の状態を知るためにも40才を過ぎたら、子宮がん検診などの際にチェックしてみてください。
治療法としては年齢や進行具合により、骨からカルシウムが抜けるのを抑える薬、腸からカルシウムの吸収を促進する薬、ホルモン補充療法(HRT)、食事、運動療法、などがあります。失われた骨量を薬で大きく増やすことはできませんから、治療よりも予防が大切です。
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Q:検査する骨はどこでしても同じですか?
A:検査機器や検査する骨で、検査法の優劣は大きく変わります。要介護の原因になる大腿骨頚部(股関節に近い部分)の骨折は日本人女性の約10人に1人と 言われています。この大腿骨頚部骨折のリスクをチェックするには、同部位の骨密度測定が必要です。ところがほとんどの施設で測定しているのは、腕の骨やか かとの骨密度です。
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Q:なぜ大腿骨の測定をしないのですか?
A:測定機器のコストが高くなることが、最大の理由です。奈良市でも、腰椎と大腿骨頚部の骨密度測定機器を備えている施設は数えるほどしかありません。
もうひとつの理由は、保健点数の問題です。腰椎の骨密度測定は360点、大腿骨頚部は180点、両方を測定しても360点で、大腿骨頚部の測定は無償検査になってしますからです。
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Q:普段の生活ではどんなことに気をつければいいですか。
A:日光浴を心がけて、歩くことを基本とした、あまり負担にならない運動を毎日続けてみてください。
食生活では牛乳、乳製品などカルシウムの吸収のいい食品やビタミンDの多い食品(干しいたけなど)をバランスよくとること。
骨が成長する10代にできるだけ骨量を多くするのが理想ですが、中年以降でもあきらめないで骨量の低下をできるだけ少なくするように、ちょっと意識して生活をする積み重ねが大切です。