Q:尿漏れで悩む女性は多いのですか。
A:35才以上の女性の2人にひとりは何らかの尿漏れを経験したことがあるといわれます。
——————————————————————————–
Q:症状に特徴や種類がありますか。
A:女性の場合、大きく二つのタイプに分かれます。咳やくしゃみ、重い荷物を持ち上げようとした時などに下腹部に力が入って、思わぬ瞬間に尿が漏れる腹圧性尿失禁。女性の尿漏れの約7割がこれです。
もう一つは、尿意をもよおしてからトイレに着くまでにがまんができずに尿が漏れてしまう切迫性尿失禁です。
——————————————————————————–
Q:原因はなんですか。
A:尿漏れは膀胱自体に問題があったり、脳や神経の病気でもおこりますが、更年期の女性に多いのは出産や加齢のために骨盤底筋が緩むことです。
また、更年期には自律神経のアンバランスから尿道括約筋の働きが悪くなることも尿失禁が多い原因になっています。
——————————————————————————–
Q:どんな治療をするのですか。
A:腹圧性尿失禁の方には、骨盤底筋を鍛える運動療法を推奨しています。体操は肛門や膣をきゅっと2分ほど締めます。これを日に10回程度から始めます。他に排尿中絶法などがあります。
また、患者さんによっては女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)や漢方薬で症状が軽くなる方もいます。その他、膀胱を緩めて尿道を引き締めるアドレナリン受容体刺激薬や、重度の方には手術療法も勧めます。
切迫性尿失禁の方には、薬物療法として抗コリン薬を用います。抗コリン薬は神経から筋肉への指令を抑えて不随意な収縮を抑えます。
——————————————————————————–
Q:男性に比べて女性に尿漏れが多いのはなぜですか 。
A:女性の尿道は男性に比べて短く、尿道周辺の筋肉の衰えが機能低下に直接結びついてしまうためです。
——————————————————————————–
Q:尿漏れの症状は、人に相談しにくいのですが。
A:確かに、恥ずかしいとか情けないという思いから、一人で悩んでおられる方も多いようです。命にかかわる病気ではないので、不快な症状があってもがまんしてしまい、症状が悪化する方も少なくありません。
尿失禁のほとんどは体操や薬で改善します。年のせいとあきらめず、快適な毎日を過ごすためにも検診時などに相談してみてください。多少時間がかかることもありますが、必ずよくなると信じて病気と向き合うことも大切です。