Q:どんな病気ですか。
A:突然あるいは徐々に呼吸が浅く、回数が多くなり息苦しく、空気が吸い込めないような苦しさを強く感じます。
これは激しい呼吸を繰り返すことで血液中の二酸化炭素を過度に排出しすぎておこります。情緒不安定な10代、20代の女性に多い病気です。
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Q:どんな原因、誘因が考えられますか。
A:強い不安感や恐怖感におそわれた時や激しい怒りや興奮などの心理的な緊張により、自律神経のバランスが乱れておこります。
ストレス、不安とは違ってみえますが、コンサート会場で興奮のあまり失神してしまうのも過換気症候群です。
こうした心的な要素、以外にも激しい運動をした後やひどく疲れている時にもおこります。
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Q:どんな人がなりやすいのでしょう。
A:何ごとにも不安を感じやすい性格の人、数多いストレスを抱えている人、自分の気持ちを素直に表せない人、依存心が強い人などがなりやすいようです。
若い女性に多い病気ですが、最近では年齢を問わず、男性や高齢者にも多くみられるようになりました。
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Q:どんな症状がでますか。
A:浅い呼吸が続き、息苦しさから、しだいに不安がつのり、さらに息を吸おうとして悪循環に陥ります。
同時に頭痛や吐き気、口の周りや手足のしびれ、ひどい時には全身のしびれやけいれんが起こります。
放置すると発作は30分から1時間続くことがあります。
しかし、どんなに強い発作でも死に至ることや後遺症の残ることはありません。時間とともに軽快していきます。
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Q:どんな治療をするのですか。
A:応急処置としてはペーパーバック法といって、紙袋やビニール袋を口と鼻を覆うようにかぶせて、吐いた息、つまり二酸化炭素の多い空気をゆっくりと吸い込みます。
ただし、空気が漏れないように袋をあて過ぎると酸素不足になってしまうので少し隙間をあけて下さい。
とっさに袋がない時には両手で口と鼻を覆うだけでも効果があります。
自分自身に対してはもちろんですが、周りの人が発作を起こした場合でも、あわてないこと。不安が連鎖して集団発生にもなりかねません。
自分の吐いた息をもう一度吸えばいい、と覚えておけば安心です。
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Q:病院へ行ったり、検査をする必要がありますか。
A:まれに過呼吸発作が重大な器質的な病気のサインであることもあります。
発作を何度も繰り返したり、とても不安感が強い場合には、まず内科の診察を受け、必要に応じて心療内科や精神科を受診して下さい。