子宮がんには、子宮の入り口付近に発生する「頸がん」と、子宮の奥に発生する「体がん」があります。
「頸がん」と「体がん」は、発生原因や組織型も全く異なる別のがんです。
子宮頸がん検診
- 40歳以下では、女性のがん発病第1位 (図1参照)
- 20歳代の発病率が過去15年で10倍以上増加 (図2参照)
子宮頸がんは、性行為によって感染するHPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で、性体験の若年化にともない20代・30代の頸がんが増えています。日本および世界で、20歳からの頸がん検診を推奨しています。
また最近では、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)による頸がんの予防や、子宮頸部分泌物の検査によるHPV感染や頸がん発病リスクのチェックもできます。
検査方法
細胞診
子宮頸部から細胞をとり、顕微鏡で調べます。痛みはなく短時間で終わります。
細胞診で異常のみつかった方は、コルポスコープという拡大鏡で子宮頸部を観察し、組織検査で確定診断をおこないます。
子宮体がん検診
子宮がんの半数が体がんで、女性ホルモンが関連しています
【 受診推奨年齢 】 40歳以上 毎年1回 (不正出血のある方は、全年齢で推奨)
注意:妊娠の可能性のある方は受診できません
- 子宮体がん患者数は30年前の約10倍に増え、頸がんと体がん患者数はほぼ同数(図3参照)
- また米国では、全子宮がんの約7割が体がん
- 子宮体がんは、40歳頃から増加し50歳からピークとなる (図4参照)
- ただし、49歳以下の体がん患者数も増加している (図5参照)
細胞診・経膣エコー検査
子宮体部から細胞をとり、顕微鏡で調べます。
未産婦や帝王切開の方子宮の入り口部分が狭いため、体がん検診の際に、多少の出血や疼痛をともなう場合もあります。
異常がみつかった方は、子宮内膜の組織検査をおこないます。
ただ、「子宮体がん」は、検診の正診率(正しく診断する割合)が約90%で、経膣エコー検査による子宮内膜の観察(体がんでは内膜が厚くなります)が非常に重要です。
中野司朗レディースクリニックでは、「痛くない体がん検診」を心がけています。