★ おりものとは?
膣、外陰、子宮内膜や子宮頸管から出てくる分泌液のことです。雑菌の侵入を防ぐ自浄作用や受精の手助けする働きなどがあります。おりものの量や状態には個人差があり、生理周期や体調によっても変化します。排卵がなくなる閉経後には、ねばっとしたおりものはなくなります。
★更年期以降におりものが増えるのはなぜ?
膣のなかには、デーデルライン桿菌(かんきん)という常在菌がいて、
膣内を酸性に保ち、細菌に感染しにくい環境をつくっています。
この菌がエストロゲンの減少にともなって減るため、自浄作用が弱まり
雑菌に感染しやすくなります。こうした雑菌により炎症を起した状態が
萎縮性膣炎(老人性膣炎)です。また膣壁も乾燥しやすく、粘膜も薄く
なるので雑菌や性交時の刺激により炎症を起し、黄色っぽいおりものが
増えたり、ひりつきや痛みがあったりします。
★ 原因を知ることが重要です
20~30代の場合、カンジダ菌やトリコモナス菌など原因菌がはっきりしていることが多いのに対し、中高年女性の場合は原因が異なることが多いので注意が必要です。
とくに注意したいのが悪性腫瘍によるものです。ほかにもエストロゲンの減少により免疫力も落ちて疲れやすくなることからカンジダ膣炎、性行為感染症(STD)などによっても、おりものが増えたり、性状も変わります。いつもと違うと感じたときには早めにご相談ください。
以下は、おりものの変化と考えられる疾患をあげておきます。おりものの性状などは様々あるため、全てがそれにあたるとは限りません。あくまで目安とお考えください。
おりものの変化 | 考えられる疾患 | |
● 血が混じっている、褐色、水性 | → | ● 子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなど |
● 血が混じっている、 膿性 | → | ● トリコモナス膣炎 |
● 白、淡い黄色、褐色、 | → | ● 萎縮性膣炎 |
● 黄、白 粘液状 | → | ● クラミジア感染症 |
● 白くぽろぽろしたものが混じる | → | ● カンジダ膣炎 |