Vol.71 2013.11.05 食品添加物 植物油 1

日本人はかつて、大豆やなたねを圧搾(搾って油をとる)した味がしっかり濃く
ビタミンEがいっぱい入っている油を料理に上手く使っていました。
いろいろな油を少量ずつ使う工夫をしていたんですね。しかし、重くて臭いが
強い理由で使われなくなり、かわりに添加物で精製されたサラダ油が使われる
ようになってきました。サラダ油がなかったら日本人の油の摂取量はそれほど増
えていなっかたと言われています

「体に脂肪がつきにくい食用油」というものをご存知だと思います。
発がん性問題で、自主回収された商品もありましたね。
「高濃度ジアシルグリセロール油」が問題になっています。

ジアシルグリセロールは本来、自然界の油のなかにはほんのわずかしか存在しません。
しかし、化学的処理をほどこして含有率80%という高濃度に生成した油を≪ダイエ
ットオイル≫
として、しかも、特定保健用食品≪トクホ≫として売られているのが現
実です。

一般的な油「トリアシルグリセロール」は、小腸でいったん分解され、
小腸壁に吸収された後、再びもとの形に合成されて血液中でトリアシル
グリセロール(=中性脂肪)になります。
一方、ジアシルグリセロールは、不自然な形をしているため、小腸壁に
吸収されても、中性脂肪に再合成するのに時間がかかります。これが、
「中性脂肪になりにくい」「体に脂肪がつきにくい」という理由。

しかし、いくら脂肪酸の組み立てに時間がかかっても、エネルギーとして
消費しなければ、最終的には体脂肪として蓄積されると考えられます。

また、ジアシルグリセロールから中性脂肪へと合成されるときに、余った
脂肪酸が浮遊して、体にさまざまなダメージを与える可能性もあります。
特に問題になっているのが、発ガン促進作用の疑いがあることです。

ジアシルグリセロールには、細胞の分裂・増殖のスイッチのひとつである
酵素を異常活性化させる作用があり、これがガン細胞を分裂・増殖させる
要因のひとつになるのではないか、と考えられています。

ジアシルグリセロールは、ダイエット油だけでなく、乳化剤増粘安定剤
など食品添加物としても使われています。ダイエット効果を謳っているド
レッシングやマヨネーズなどに使われている可能性もあります。

無味無臭で、遮閉もされず長期保存可能な不自然な油を食べるより
風味豊かな油を食べたいものですね。

ラベルの表示に「植物性油脂」「食用精製加工油脂」と書かれているものは
、溶剤抽出法で作られた可能性が高いので注意してください。
油を買うときには「コールドプレス(低温圧搾)」と書かれているものを選ぶように。
良い油は、冷蔵棚で光を通さない容器に入って販売されています。
値段は高いと感じるかもしれませんが、貴重な油を少量だけ用いるような食生活を
送れば、油の摂りすぎも防げます。

 

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