★ 新型栄養失調ってなに?
新型栄養失調、最近使われ始めた言葉です。厚生労働省の調べでは70歳以上の5人に1人が低栄養状態にあたり、若い女性にも増えています。これは低アルブミン血症(※)、つまりタンパク質の不足が特徴で、特に動物性タンパク質が不足している方が増えているのです。
(※血液中のタンパク質の約6割をしめる「血清アルブミン」が不足した状態 )
たとえば、高齢の方の場合、肉類や卵を敬遠する、
中高年層ではメタボリックシンドロームを気にするあまり食事のバランスがくずれている、若い女性も極端なダイエット志向で脂質をとらないなど、偏った食生活が現代の栄養失調を引き起こしているというわけです。これは食欲や体型に関係なく、つまり誰でも低栄養になる可能性があるということです。
★ タンパク質不足による体の不調
タンパク質は血液、筋肉、骨、臓器をつくる材料であり、動物性タンパク質の不足は、同時に亜鉛(ミネラルの一種)や鉄分B群ビタミンなどの不足も招いてしまいます。この状態が悪化すると貧血、脳出血、肺炎、骨折などにもつながります。
またB群ビタミンのひとつの葉酸が、妊娠中に欠乏すると、胎児に2分脊椎の奇形を生じ、重症な場合、一生排便や排尿の自己コントロールができないという深刻な事態をもたらす危険もあります。これから妊娠を考えている女性は、ぜひ栄養バランスの意識を持って食生活を大切にしてください。
★ 栄養バランスを意識した食事で改善
では、どんな食事をとればいいのでしょうか。まず3食きちんととること。といっても、朝食は菓子パン、お昼は麺類ではNG。栄養バランスのとれた食事内容が大切です。次の10食品を3食にバランスよくとれるように意識してみてください。
肉類、魚介類、卵・卵製品、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、海藻類、いも類、果物、油脂類、緑黄色野菜