「頸動脈エコー検査」と「MRI・MRA検査」の比較

1.「MRI検査」と「MRA検査」

  • MRIは磁気共鳴(MR)という現象を利用して撮影された画像(Imaging)のことをいいます。
  • MRAはMRI装置で撮影された血管の画像(Angiography)のことを言います。
  • 脳ドックでは、MRIやMRAが多く使用されています。
脳梗塞画像 「MRI」

この画像は、MRIで描写された脳梗塞です。
白く抜けている部分(赤い → の部分)が、梗塞によって壊死した部分です。

脳梗塞画像 MRI画像
脳梗塞画像 MRI画像

脳梗塞画像 「MRA」

この画像は、MRAで描写された脳梗塞です。
向かって右側(赤い → の部分)の血管が、途切れています。

脳梗塞画像 MRA画像
脳梗塞画像 MRA画像

2.「頸動脈エコー検査」

  • 頸動脈エコーは、簡便で視覚的に動脈硬化の診断が出来る検査です。
  • 全身の動脈硬化の程度を表す指標を評価できます。また、脳血管疾患に対する評価も用いられます。
  • 動脈硬化を起こすと血管壁が厚くなったり硬くなったりします。その様子が画像で簡単に確認できます。
  • 被曝も痛みもありませんので、年月を追って動脈硬化の進み具合を知る事が簡単に出来ます。

 

正常の頸動脈画像 「頸動脈エコー検査」

これは、頸動脈エコーによって描写された総頸動脈です。
黒い部分が血管で、直径1cm弱あります。
その周囲にうっすらとグレイの部分があります。
この部分が、内中膜複合体(IMT)と呼ばれ、1mmまでは正常です。
1mmを超えるとプラークと呼ばれ、動脈硬化性変化です。

正常頸動脈 頸動脈エコー画像
正常頸動脈 頸動脈エコー画像

頸動脈プラーク画像 「頸動脈エコー検査」

これは、頸動脈エコーによって描写された総頸動脈です。
内中膜複合体が厚くなって、プラークが形成されています。

頸動脈プラーク画像 頸動脈エコー検査
頸動脈プラーク画像 頸動脈エコー検査

3.まとめ:「頸動脈エコー検査」と「MRI・MRA検査」の比較

  1. すでに起こっている、脳梗塞の診断には、「MRI・MRA検査」が有用。
  2. 頸動脈エコーでプラークを認めても、大半は「MRI・MRA検査」では正常と判定されている。
  3. 将来発症する、脳梗塞・心筋梗塞の予防には、「MRI・MRA検査」よりも「頸動脈エコー検査」が有用。

 

 

 

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