Vol.108 2016.12.05 ω-3系脂肪酸とコレステロール


血栓症
日本人の死亡原因や要介護原因の上位に、心筋梗塞・脳梗塞などの血栓症があります。ちなみに、平成26年度日本人女性の死亡者数1位は悪性新生物で149,642名、2位が心疾患で104,582名、3位は脳血管疾患で59,615名、2位の心疾患と3位の脳血管疾患を合わせれば、164,197名で1位の悪性新生物を上回ります。また、要介護原因の1位が脳血管疾患です。

 

血栓症の予防はいくつから
女性は閉経期から、動脈硬化が始まります。
ですから50歳から動脈硬化の予防に留意する必要があります。

 

血栓症の予防
動脈硬化の原因には、いくつかの原因がありますが、今回特に知っていただきたいのは、ω(オメガ)-3系脂肪酸の摂取量についてです。ω-3系の脂肪酸は、血液をさらさらにして、適量を飲み続けると血栓症のリスクを1/3に下げることができる可能性を秘めています。
現在保険診療で認められているω-3系製剤には、エパデール(EPAを300mg・600mg・900mg含有する)とロトリガ(EPAを930mg・DHAを750mg含有する)の2種類です。どちらもイワシのオイルから精製されます。
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ω-3系脂肪酸の適量
ω-3系脂肪酸のなかでも、DHAではなくEPAに血液をさらさらにする血栓予防効果が確認されています。脂肪酸分画(ジホモ-γ-リノレン酸・アラキドン酸・EPA・DHA)を血液検査で測定して、アラキドン酸とEPAの比率を適正な数値に近づけることで、血栓症のリスクを1/3にすることが可能と考えられています。コレステロールよりも、EPAの数値を適正に保つことが肝要と、私は考えています。
ただ、脂肪酸分画を測定している医療施設数が極端に少ないのが奈良市の現状です。
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